こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの子の症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 2歳4ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】
〇1才から痒み
〇脇のベタベタ、臭い
〇掻き出すと長く、傷になる程の痒み
〇全身の黒い皮脂(膿皮症)
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは耳のお写真です。
耳介辺縁皮膚症があり、フケや毛が束になって抜けています。
次は首の写真です。
毛が薄く、地肌が見えてしまっています。
こちらは脇、腕の写真です。
次に胸、お腹の写真です。
無数の湿疹があります。
最後に後ろ足の写真です。
毛は薄く、湿疹もできています。
それでは治療後のお写真と比べてみましょう。
【初診時の診極め】
ポイント①被毛形成異常
フレンチブルドッグは単純なアトピーでないことが多く、「毛並み異常」を併発してアトピーの悪化を起こしています。
毛並み異常(被毛形成異常)を見落とすと皮膚が弱いままのため、膿皮症を繰り返すことが多いです。
・全体的に毛が『薄い』『細い』
・地肌が見える
・被毛が硬い
・毛がよく抜ける
こちらが当てはまる子は、被毛形成異常を疑います。
治療を進めるにあたり、この毛並み異常に対してのアプローチをすることが大事です。
ポイント②免疫異常
免疫異常は目に見えず数値化できないため、原因がはっきりとわからないまま「アレルギー」と置き換えられてしまうことがあります。
特に繰り返す湿疹を特徴としている膿皮症の原因がアレルギーから起きていることはほとんどなく、別のところに問題が隠れていることの方が多いのが現実です。
ポイント③耳介辺縁皮膚症
・耳の辺縁を中心に脱毛
・フケや痂疲を伴って束で抜ける
・症状が酷い場合はひび割れたり、引っ掻いて出血することも
耳の脱毛だけであれば無症状のことが多いのですが、皮膚病が治らない原因が耳にでているため、耳の治療と皮膚の治療はセットで考える必要があります。
この耳の辺縁が脱毛する原因と治療法を分かってないと皮膚病は治りません。
【当院の治療プラン】
①アトピー
・投薬治療
※抗生剤は使っていません
②腸活(免疫異常の改善)
・食事療法
・スキンケアECプラス
③被毛形成異常
・投薬治療
④週1回のスキンケア
・Medicareオイル
・Medicareシャンプー
・Medicareジェル
この子の場合、治療開始から2ヶ月後には皮脂もだいぶ減り、痒みもほぼ無くなりました。
そしてアンダーコートが再生され毛並みが改善したことによりフワフワ、サラサラの毛に。
結果、毛並み治療をすることにより抗生剤を使わず膿皮症が消失しました。
飼主様からは、「毛並みがステキ!」と喜んでいただけました。
またトリマーさんにも「ホントすごい!」と褒められたそうです。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
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【症例報告制作者】看護師 佐野